国産小麦の魅力を解説! 輸入小麦と何が違う? 国産ならではのメリットは?

国産小麦の魅力を解説! 輸入小麦と何が違う? 国産ならではのメリットは?

近年、「国産小麦」への注目度が高まっているのを知っていますか? パンに焼き菓子、うどんに天ぷら……と、小麦粉は日々の食卓からプロの厨房まで欠かせない食材ですが、実は日本国内で流通している小麦粉の8割以上が輸入小麦。流通量の2割に満たない国産小麦が注目を集めているのは、いったいなぜなのでしょうか。そのわけをご紹介していきます!

国産小麦がいま注目される理由とは?


農林水産省のデータによると、近年、日本の小麦の自給率は15%前後で推移しており、残り85%をアメリカ、カナダ、オーストラリアなどからの輸入に頼っています。これは米や野菜の自給率と比べると、とても低い水準です。

輸入小麦は国際情勢や輸送コスト、気候変動による影響を受けやすく、安定的に供給され続けるとは限りません。そうした理由から、食の安全保障と品質の両立を目指して、国産小麦の生産と利用拡大が進められています。

以前は粒がそろっていないこと、生地が茶色く変色しやすいことから、国産小麦は「扱いにくい」といわれていました。ただ、現在ではこうした課題を克服するための研究が進んでいます。国産小麦の品質は飛躍的に向上し、輸入小麦に匹敵、あるいはそれ以上の品質のものが次々と生まれているのです。

国産小麦にはどんなメリットがある?

国産小麦と輸入小麦には、安全性、鮮度、風味・食感などの面ではっきりとした違いがあります。そのメリットについてみてみましょう。

メリット① 高い安全性
国産小麦と輸入小麦で大きく違う点は、使われる農薬や食品添加物の量。輸入小麦は、収穫時期を調整するため日本で除草剤として使わていれる「グリホサート」が散布されることが多く、輸送中・保存中の品質を保つため、収穫後の小麦に防カビ剤を散布する「ポストハーベスト処理」が行われます。

こうした農薬や食品添加物はごく微量であれば問題ないとされていますが、日常的に口にする食品だからこそ、避けたいと考える人も少なくありません。その点、国産小麦は収穫後の農薬散布は原則行わないため、より安心して使うことができるのです。

メリット② 高い信頼性
国産小麦は、生産者がどんな栽培管理をしていたのかが明確に分かる原料が使われています。そのため、輸入小麦より信頼性も高いといえます。

メリット③ 日本人好みの食感・風味
国産小麦はタンパク質の量や質の違いから、輸入小麦に比べてもちもちとした食感が生まれやすいという特徴があり、かむほどに豊かな甘味が広がります。強いコシやもちもち食感は、日本人が大好きな食感。「うどんは断然、国産小麦」という料理人が多いのも、この食感と風味の良さが理由です。

メリット④ 日本の農業、地域経済へ貢献できる
国産小麦の購入を通じて、小麦栽培に取り組む農家を支えることができます。また、輸入小麦と比べて輸送にかかるエネルギーを削減する「フードマイレージ」の低減にも繋がり、環境保全にも貢献できます。

つまり、国産小麦を使うことは「おいしさ」や「安心」のためだけでなく、環境にもやさしい選択でもあるのです。

国産小麦を選ぶ時に注目したいこと

では、用途に応じてどんな品種を選べばいいのかを見ていきましょう。

食パンや中華麺・餃子の皮に向いているのは、強力粉の「ゆめちから」「キタノカオリ」「春よ恋」「みのりのちから」など。中力粉の「きたほなみ」は、ケーキ・焼き菓子、うどん、天ぷらなど幅広い用途で使うことができます。

小麦粉を選ぶ際は、パッケージに明記されている「産地」「品種名」「分類」(薄力粉、中力粉、強力粉)を確認しましょう。

Eating Hokkaido(イーティング北海道)のブログでは、国産小麦の選び方やそれぞれの品種の特徴についてご紹介していますので、ぜひ読んでみてください!

▶︎北海道産小麦粉6種を徹底比較!パン・お菓子作りにおすすめの国産小麦は?

▶︎北海道産小麦粉100%使用の「生産者の顔が見えるパン用小麦粉 BEST8」

家族やお客様に安心やおいしさという価値を提供できる国産小麦

国産小麦を選ぶことは、安心・安全な食生活、おいしさで笑顔あふれる食卓、さらには「日本の農業と環境」を支えるという非常に大きな価値を持っています。

価格は輸入小麦よりも高めかもしれませんが、その裏側にあるストーリーと品質を知れば、十分納得できる選択肢。

家庭で取り入れれば大切な家族に、ベーカリーを営む方や料理教室を開かれている方ならお客様に、国産小麦ならではの安心やおいしさという価値を届けることができますよ。

ぜひ国産小麦を手に取って、その魅力を感じてみてください。

ブログに戻る