新品種の国産強力小麦「ゆめほわいと」を使ったレシピ3選!
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北海道産の新品種小麦、「ゆめほわいと」。カナダ産最高級小麦「1CW」に匹敵する製パン性を持ちながら、国産小麦らしい風味と食感も備えている、「パン屋が待ってた小麦」と評される小麦です。
Eating Hokkaido(イーティング北海道)を運営するヤマチュウは、「ゆめほわいと」の流通を担う立場として、発売に先がけて試作を重ねてきました。そこで今回は、品種の背景と特性の解説に加えて、「ゆめほわいと」の良さを引き出すために開発した3つのプロ向けレシピをご紹介します。
パン屋さんや料理教室を主宰されている方が、「この粉でどんなものが作れるか」をイメージするための参考としていただけましたら幸いです!
「ゆめほわいと」とはどんな小麦?
北海道の麦作を守るために生まれた品種
現在の北海道産小麦の主力品種、「きたほなみ」は「縞萎縮病(しまいしゅくびょう)」という病気に対する抵抗性が弱く、気候変動の影響によっては北海道の麦作全体が壊滅的な打撃を受ける可能性が指摘されています。こうした状況に対応するため、農研機構 北海道農業研究センターが育成したのが、この「ゆめほわいと」です。
「ゆめほわいと」は縞萎縮病への高い抵抗性を持ち、秋蒔き小麦として品質が安定しやすく、生産者にとって育てやすいため、将来的に安定供給が可能な品種として期待されています。
「ゆめほわいと」は高い製パン性を持つ
パン業界では長年、カナダ産小麦「1CW(No.1 Canada Western Red Spring)」が製パン性の基準とされてきました。「ゆめほわいと」は、その1CWに匹敵する製パン性を持つことが確認されています。
さらに、国産小麦ならではのもちもち感も持ち合わせているため、製パン性と日本人好みの食感の両立が期待できます。国産小麦だけでパンを作れる可能性を秘めていることから、試作に関わったパン職人の方が「これはパン屋が待ってた小麦だ」と話したというエピソードも!
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

「ゆめほわいと」の開発秘話インタビュー。「北海道の麦作を変えるかもしれない」といわれる理由 とは?
リッチな生地との相性が抜群
試作に携わった職人さんたちから特に評価が高かったのは、ブリオッシュなどのリッチな生地との組み合わせです。「油脂とのなじみがよく、生地の伸展性と風味のバランスが絶妙」とのことでした。
また、「北海道産の小麦だけでパンを作りたいという夢がようやく現実になった」という声もあり、産地にこだわった商品づくりをされている方にとっても選択肢が広がる粉となりそうです!
初公開!「ゆめほわいと」のレシピ3種
「ゆめほわいと」の発売予定は2027年の年明け〜4月頃。そのため、2026年3現在「ゆめほわいと」のレシピを公開しているのはイーティング北海道だけです。
では、粉の特性を存分に引き出したプロ向けのレシピを3つご紹介します!
【レシピ①】 Pain blanc(パン・ブラン)[2斤型使用]
「ゆめほわいと」を100%使用した、食事に添えるパンです。
中種製法でじっくりと生地を熟成させることで、粉本来の甘みと香りを最大限に引き出しました。フランスで精白小麦粉の風味を味わうために発展した「パン・ブラン」の思想にならい、小麦の個性を主役に仕立てています。
〈材料〉
|
原材料名 |
メーカー |
配合比率(%) |
|
【中種】 |
||
|
小麦粉「ゆめほわいと」 |
ヤマチュウ |
70 |
|
砂糖 |
2 |
|
|
とかち野酵母(インスタント)※赤サフで代用可。生イーストの場合は2〜3倍量に |
日本甜菜精糖 |
1.1 |
|
水 |
40 |
|
|
BBJ(生地改良剤) |
日仏商事 |
0.1 |
|
【本捏ね】 |
||
|
小麦粉「ゆめほわいと」 |
ヤマチュウ |
30 |
|
砂糖 |
5 |
|
|
食塩 |
2 |
|
|
バター |
2 |
|
|
水 |
35 |
|
〈工程条件〉
|
ミキシング(縦型) |
【中種】1速4分→2速1分 【本捏ね】1速4分→2速4分↓1速3分→2速4分〜 |
|
捏ね上げ温度 |
【中種】25〜26℃ 【本捏ね】26.5〜27.5℃ |
|
フロアタイム |
【中種】(27℃ / 75%) 3.5時間 【本捏ね】(27℃ / 75%)20分 |
|
分割・ベンチ |
330g×3 ベンチタイム35分 |
|
成形 |
丸め |
|
ホイロ |
38℃ / 85% 70分〜 |
|
焼成 |
上火220℃ 下火220℃ 35分 |
【レシピ②】ゆめほわいとのブリオッシュ ナンテール[パウンド型(740cc)使用]
対粉比で加水率81%、バター50%の配合で作る「ブリオッシュ ナンテール」。「ナンテール」はパリ西郊外の町の名前です。分割した生地を型に並べて焼き上げるクラシックなブリオッシュの代表的な形状で、家庭的かつ実用性の高い形状として親しまれています。
「ゆめほわいと」は吸水性が高く、油脂の抱き込みにも優れ、さらに老化が遅い特性があるため、ブリオッシュに適した粉として採用しました。
〈材料〉
|
原材料名 |
メーカー |
配合比率(%) |
|
小麦粉「ゆめほわいと」 |
ヤマチュウ |
100 |
|
発酵バター |
50 |
|
|
凍結加糖卵黄20 |
キユーピー |
30 |
|
上白糖 |
16 |
|
|
凍結全卵 |
キユーピー |
10 |
|
トレハロース |
5 |
|
|
セミドライイースト(金サフ) |
日仏商事 |
2 |
|
塩 |
2 |
|
|
イビスイエロー |
日仏商事 |
0.2 |
|
BBJ |
日仏商事 |
0.1 |
|
牛乳 |
50 |
|
|
バシナージュ(牛乳) |
8 |
〈工程条件〉
|
ミキシング(縦型) |
1速2分→2速3分→3速2分↓1速5分→2速10分→3速9分→4速1分30秒 |
|
捏ね上げ温度 |
26〜28℃ |
|
フロアタイム |
90分(60分目でパンチ)温度29℃ / 湿度80% |
|
分割・ベンチ |
分割35g×8個 ベンチタイム20分 |
|
成形 |
丸め 型詰め |
|
ホイロ |
90分 温度29℃ / 湿度80% |
|
焼成 |
200℃ 14分 スチーム適量(コンベクションオーブン使用) |
【レシピ③】ゆめほわいとの惣菜パン

「ゆめほわいと」のガス保持力の高さを活かし、ホイロ後に冷凍する製法で作成しています。冷凍しても生地の力を損なわず、焼き上がりのボリュームと食感を高いレベルで維持できます。
〈材料〉
|
原材料名 |
メーカー |
配合比率(%) |
|
小麦粉「ゆめほわいと」 |
ヤマチュウ |
100 |
|
無塩バター |
10 |
|
|
ルヴァンリキッド(自家製) |
自家製 |
10 |
|
上白糖 |
9 |
|
|
塩 |
1.5 |
|
|
とかち野酵母(インスタント) |
日本甜菜精糖 |
1.7 |
|
水 |
72 |
〈工程条件〉
|
ミキシング(縦型) |
1速3分→2速3分↓1速3分→2速4分→3速3〜4分 |
|
捏ね上げ温度 |
25℃ |
|
フロアタイム |
90分(60分目でパンチ) |
|
分割 |
70g |
|
成形 |
丸め→ベンチタイム20分→少し平らにし、真ん中にくぼみをつける |
|
ホイロ |
35℃ / 75% 40〜45分 |
|
仕上げ・冷凍 |
ポケットにマヨネーズ、シュレッドチーズ、お好みの具材を入れる |
|
焼成 |
コンベクションオーブン:180℃で8〜9分 スチーム多め 平釜:200〜210℃ 10〜12分 |
「ゆめほわいと」のパンはどんな味わい? スタッフが実食!

レシピの完成後、社内スタッフで試食の機会を設けました。率直な感想をお伝えします!
Pain blanc(パン・ブラン)
トーストせずそのまま食べてみると、しっとりもっちりとした食感と、甘みが感じられました。シンプルな配合ながら飽きのこない味わいで、食事パンとして日常的に使いやすそうです。
ゆめほわいとのブリオッシュ ナンテール
もちっとした弾力がありながら、口に含むとほろりと溶けるような軽さも。翌日はトースターで軽く焼いて食べてみましたが、しっとり感が持続していたことは、商品として提供するうえでも実用的な特性と言えそうです。
ゆめほわいとの惣菜パン
外のクラストはしっかりとした歯ごたえがあり、中はふわもちの食感。シンプルな粉の味が具材のおいしさをしっかりと引き立てていました。歯切れも良く、スタッフの子どもたちには一番人気があったそうですよ。
今後の可能性に期待が高まる「ゆめほわいと」
「ゆめほわいと」は、北海道の麦作が抱える課題から生まれた品種です。その高い製パン性は、国産小麦だけを使ったパンづくりを現実的な選択肢にしてくれます。国産原料や産地にこだわった商品を作りたいと考えている方にとって、有力な素材になるのではないでしょうか。
発売は2027年の年明け〜春頃と少し先になりますが、イーティング北海道では引き続き関連情報を発信し、皆さまに有益な情報をお届けしていきます。
ぜひ、今後もブログをご覧ください!

用途や小麦品種からご希望にあった小麦粉をお選びいただけます
【この記事の監修者】

椎橋 政夫(しいばし・まさお)
東京営業所 テクニカルエキスパート
東京製菓学校 洋菓子科を卒業後、羽田東急ホテルにパティシエとして10年間務める。ホテルのセントラル工場でパン製造に携わった後、食品総合メーカーにて製パン、大手カフェチェーンのメニュー開発などに携わる。2018年、山本忠信商店に入社し、技術者として十勝の素材の魅力を広く伝えている。