灰分は「小麦粉の品質を左右する数値」。知ると小麦選びが変わります!
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いつもEating Hokkaido(イーティング北海道)を訪問いただきありがとうございます!
今回は、イーティング北海道にお問い合わせいただくこともある「灰分(かいぶん)」についてご紹介します。
食品の成分表示や、小麦粉のパッケージで見かける「灰分」という言葉。なんとなく「ミネラルのことかな?」というイメージはあっても、その正確な意味や、なぜ食品の品質で重視されるのかまでは知らない方が多いのではないでしょうか。
今回は灰分の基本的な意味から、食品に含まれる灰分の実態、そして北海道の小麦粉づくりで、灰分がどれほど重要な指標になっているかまで、分かりやすく説明していきます。
灰分とは「食品にどれだけのミネラルが含まれているか」を表す指標

灰分(かいぶん)とは、食品を高温で燃焼させたあとに残る「無機質(ミネラル)の総量」のことです。ただ、厳密に言えばイコールというわけではありません。
灰分を測定する過程で一部の成分が揮発することがあり、灰分の数値と、実際に食品分析で個別に測定したミネラル(カルシウム・鉄・ナトリウムなど)の合計値には、若干のズレが生じることがあります。そのため、あくまで灰分は「ミネラル全体量のおおよその目安」ととらえるのが正確です。
食品にはたんぱく質・脂質・炭水化物・水分といった有機的な成分と、カルシウムやカリウム、鉄、リンなどの無機的な成分(ミネラル)が含まれています。
食品を550℃前後の高温で燃やすと、たんぱく質や脂質、炭水化物といった有機物はすべて燃え尽きて消えてしまいますが、ミネラル分だけは燃えずに「灰」として残ります。この残った灰の量を数値化したものが、「灰分」。
つまり灰分とは、その食品にどれだけのミネラルが含まれているかを示す、重要な指標なのです。
文部科学省が公表している日本食品標準成分表でも、灰分はカルシウムやリン、鉄、ナトリウムなどの数値とあわせて記載される基本項目のひとつとなっています。
灰分は食品を燃焼させて測定する
灰分は、食品を550℃程度の温度で「残存する炭素がなくなり、重さが一定(恒量)になるまで」燃やし続けることで測定されます。この工程を「灰化(かいか)」
と呼びます。食品の成分を科学的に分析するうえで、大切なプロセスです。
栄養成分表示の必須項目ではないが、小麦粉や米粉では重要な指標
灰分は、食品表示法で定められた栄養成分表示の必須項目ではありません。そのため、スーパーで売られている一般的な加工食品のパッケージには、ほぼ表示されていません。
一方で、小麦粉や米粉などの食品原料や、食品分析の専門データでは、品質や精製度を示す重要な指標として古くから活用されています。
では、次にその代表例である小麦粉について詳しく見ていきましょう!
小麦粉における灰分は、品質と等級を左右する最重要指標
食品全般では必須ではない灰分ですが、小麦粉の世界では、灰分こそが品質と等級を決める最も重要な指標として扱われています。
小麦粉で灰分が重視される理由は?
小麦の粒は、中心部の胚乳(はいにゅう)と、それを包む表皮・胚芽から成り立っています。ミネラル分は表皮や胚芽に多く、中心の胚乳部分には少ないという性質があります。
製粉の際、小麦の中心に近い部分だけを挽くほど灰分の少ない白い小麦粉になり、表皮に近い部分まで挽き込むほど、灰分の多い、色味の濃い小麦粉になります。

つまり灰分の数値を見れば、その小麦粉が、小麦のどの部分をどれだけ精製して作られたものかが分かる、ということなのです。
北海道産小麦と灰分の関係=風土が育む個性

北海道は国内屈指の小麦の産地であり、個性の異なる多数の品種が育てられています。
北海道産小麦は、寒暖差の大きい気候の中で栄養を蓄えながら実をつけます。同じ品種、同じ等級であっても、産地や栽培環境によって灰分値や風味には微妙な違いが生まれます。北海道産小麦粉ならではの「小麦の味がしっかり感じられる」という評価は、こうした灰分をはじめとするミネラル分の豊かさとも無関係ではありません。
用途に併せて小麦粉の灰分をチェック!
飲食店や食品加工の現場で業務用小麦粉を選定する際、灰分値は仕上がりの品質を安定させるうえで欠かせないチェックポイントです。
✅色味を安定させたい場合:灰分の低いものを選ぶことで、焼き上がりの白さや透明感を保ちやすくなります。ふわふわ食感の食パンや菓子パン作りに向いています。
▼灰分値が低い北海道産小麦粉
さらさ、ラ・テール、月の魔法など(商品ページで灰分値を確認できます)


✅小麦の風味を打ち出したい場合:灰分の高いものを選ぶことで、素朴で香ばしい味わいを演出できます。ハード系のパンや焼き菓子作りに向いています。
▼灰分値が高い北海道産小麦粉(商品ページで灰分値を確認できます)
華粉(はなこ)、ラ・リュンヌtype55、つきほのかなど
✅ロットごとの品質差を抑えたい場合:灰分値が明記された規格を継続的に仕入れることで、メニューの再現性を保つことができます。
同じ「強力粉」「中力粉」という呼び名でも、メーカーや産地によって灰分値には幅があります。業務用として仕入れる際は、用途に合った灰分値の小麦粉かどうかを、サンプルの取り寄せなどで一度確認してみることをおすすめします。
灰分に関するよくある質問Q&A
Q:灰分とたんぱく質の違いは何ですか?
A. たんぱく質は小麦粉のグルテン量(コシの強さ)に関わる指標で、灰分は小麦のどの部分をどれだけ挽き込んだか(精製度)を示す指標です。どちらも小麦粉のグレードを語るうえで重要ですが、示している意味はまったく異なります。
Q:灰分は体に良い?それとも悪い?
A. ミネラルは身体の機能維持に欠かせない栄養素なので、灰分が多い食品はミネラル補給の観点でメリットがあるといえます。
Q.:全粒粉は灰分が高いのですか?
A. 全粒粉は小麦を表皮ごと丸ごと挽いた粉のため、一般的な小麦粉よりも灰分値が高くなります。ミネラルや食物繊維を豊富に含む点が特徴です。
灰分を知れば小麦粉選びが変わります
灰分とは、食品を燃焼させたあとに残る無機質(ミネラル)の総量を示す指標であり、小麦粉の製造では、どの部分をどれだけ精製したかを示す、品質を左右する重要な数値です。
灰分が低ければ白く上品な味わいに、高ければ小麦本来の香ばしさとうまみが際立つ仕上がりに。この違いを知っておくことで、業務用小麦粉を選ぶ際の解像度がぐっとアップします。
小麦の個性を知り、用途に合った品種を選ぶ手がかりとして、ぜひ灰分という指標を役立ててみてください。
イーティング北海道では、北海道産小麦粉のサンプル提供を承っております。
作りたいものにどんな小麦粉が適しているか知りたい、という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



